ゆずこしょう

わたしのブログです

ロックが嫌いと公言していた母をB'zのライブに誘った話

わたしです。
大した話じゃないです。
わたしの家はどちらかと世間一般の家庭よりも小さい頃から音楽に触れる機会が多かった。母は物心ついた時からバイオリンをやっていて、3歳年上の兄とわたしは2歳からピアノに通っていた。家ではいつもクラシックが流れていた。中学受験のためにピアノを2人ともやめたけれど、入った学校にオーケストラ部があったので兄はトロンボーンをはじめた。わたしは兄と特段仲が良いわけでも音楽が好きだったわけでもなく、けれど小さい頃からずっとクラシックを聴いて育ったので、後を追うように同じ学校に入り同じオーケストラ部に入った。
部活は楽しかったけれどやはり音楽にさほど興味はなかった。クラシックは好きでも嫌いでもなくただそこにあるものだった。打楽器をはじめたがあまりにも出番が少なくて全体練習の時に寝たこともあった。出席率も下がったが成行きで幹部にもなった。けれどわたしはもはや完全に部活から気持ちが離れていた。
音楽が好きだという人は、多分楽しかったのだろう。けれどわたしは違った。小さい頃からクラシックに触れていたから、家族も楽器をやっていたから、そんな安易な気持ちで入って、結局、理論も楽典も何も勉強せず無為に過ごしていた。クラシックは嫌いじゃない。ただ興味がなかったのだ。
そんなときB'zを知った。
わたしはロックを聴いたのさえ初めてだった。きっかけはコナンだった、これはもう前の記事で書いたけれど、わたしは雷に打たれたような衝撃が走るのを感じた。わたしがずっと聴いていたジャンルとは違った。違ったけれど似ていた。LOVE PHANTOMのイントロのバイオリンを聴いて、わたしは完全に気持ちが離れていた音楽にまた戻ろうかと思ったし、久しぶりにドラムが叩きたいとも思った。オーケストラやクラシックに触れていたおかげでこの曲で今使われている楽器の名前と音がわかるという単純なことですら嬉しかった。のめり込むようにしてB'zを聴いた。
だけど、問題は、あった。母はロックが嫌いだった。あんなうるさいもの音楽なんて言えない、なんて言うことすらあった。わたしはその度に反論したけれど、母は嫌がった。スピーカーで流すと切られたし、ライブの映像を見ていたら叱られた。
わたしは負けず嫌いで頑固だったから、こうなったらとことん認めさせてやる!なんて燃えていた。母の機嫌の良い時を狙って何度も何度もB'zの話をした。耳にタコができるんじゃないかってくらい話しているうちに、母はだんだん折れてきた。嫌がられることも少なくなった。
そしてこの間、ライブに一緒に行ってみない?と誘った。内心断られると思った。嫌いと言われることはなくなったけれどべつに母はB'zが好きなわけじゃない。私と同じでクラシック以外に触れたことのなかった人だ。行儀よく座席に座って静かにオーケストラの音色に耳を傾けるようなコンサートしか行ったことのない人だから、ライブなんて行ってくれないだろうなぁと思った。
いいよ、と言われた。お母さんまではまっちゃったらどうしよう、と笑いながら言われた。本当に?と聞き返したら、日時は?チケットとれるの?ライブってどんな感じなの?場所は?と矢継ぎ早に私に質問してきた。わたしから誘ったのになんだけどどうして来てくれるの?って言ったら、あなたが毎日聴いてるしそんなに好きなら気になる、と言ってくれた。自分の好きなものに興味を持ってもらえるのは嬉しかった。
母はチケットとれなかったらまた今度でもいいよ、調べたけどB'zは人気だから簡単に取れないでしょと言った。わたしの好きなものを調べてくれてたんだなぁと思ったし、ロックが嫌いと言ってもこんなふうにとりあえず触れてみるという選択をしてくれた母でよかった。

そんなこんなで今年のPleasureツアーはチケットがとれれば(!!)母と参戦します。母娘揃ってライブ初体験ができるといいな。がんばろー!

また、体調を崩していてここ数日更新できなかったのですが、心配してくださった方ありがとうございました。大丈夫です!